左右の舌が白くなっている部分があります。

特に痛みがあったり、しこりはありません。
仕事で食いしばっていることが多く
歯に舌が擦れているのかなとは思います。
マウスピースをして仕事や就寝はしています。
何か悪いものでしょうか?
写真は右側ですが、左にも同じように
白くなっています。
よろしくお願いします。


A.こんにちは、安原歯科医院の安原豊人です。
もちろん診察してみないとわかりませんが、摩擦性角化症さらには白板症(ハクバンショウ)の疑いもあります。白板症というものは、粘膜に生ずる白色ないし灰白色の角化性病変で、摩擦によって除去できないものをいいます。
粘膜上皮の角化異常によって生じた白板状病変で、原因には慢性の機械的刺激、化学的刺激、喫煙、ビタミンA欠乏などがあげられますが、大部分は原因不明なものです。自覚症状に乏しく疼痛はなく、摩擦によっても白斑は剥離しないものです。
白板症の根治的な治療法としては外科療法が推奨されます。小範囲のものはレーザーや、凍結外科などで切除が行われます。しかし、広範囲な白板症や、多発性のものでは機能障害を起こすことが多いため、経過観察を行い、悪性化の可能性のある場合だけ治療を行うことも普通です。
白板症の悪性化については、報告書や人種によっても異なり、悪性化頻度は0.13~17.5%まであり、本邦では、一般に10%以下と考えられています。
舌の側縁にできたものが最も癌化が多いといわれています。白板症は、あまり急がないが、専門医に見せたほうがよい病変と考えられています。摩擦性角化症などとの鑑別診断のため、マウスピースなどを装着して、舌への慢性の機械的刺激を除去して、消失するか、しばらく様子をみることも行われます。一度お近くの口腔外科を受診されることをお勧めいたします。

口腔外科専門医 安原豊人

口腔外科専門医 安原豊人

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