写真だと分かりにくいのですが、端の方に地図状舌のような症状があります。これは放置しておいても大丈夫ですか?
A.こんにちは、安原歯科医院の安原豊人です。
写真拝見いたしました。地図状舌(ちずじょうぜつ)の疑いがあります。
地図状舌は、舌の表面にいろいろな大きさの円形、半円形の淡紅色斑を生じる特殊な角化異常性変化です。斑の周囲は、白色ないし黄白色の幅1〜3mぐらいの帯状に縁どられていて、病巣は舌全体に散在し、それが癒合して地図状を呈します。また、日により、時間によって、位置、形態などが変化するのが特徴です。
部位は舌背部だけでなく、舌側縁部や舌下面にも広がることがあります。
一般には自覚症状はないものですが、ときに舌の疼痛やしみることなどを訴えることがあります。
地図状舌は、幼児においては15%前後、成人の1%前後にみられ、特に若い女子に多いものです。ただし、年齢とともに消失することも多いようです。
原因は不明ですが、ストレスが本病変の原因の1つとも言われています。その一方で、舌表面の変化が気になって精神的ストレスを引き起こす場合も少なくありません。このストレスによって舌の痛み(いわゆる舌痛症)が出現することがあります。
特別な治療法はなく、自覚症状のない場合は放置してかまいません。病的とは考えにくいので、口腔を清潔に保つことや、食べ物では刺激物を避けるようにする程度でよいでしょう。